関大一高 入試前の“相談”で9割の合格内定


関西大学第一高校(吹田市山手町)の入試が不透明だと各報道機関が報じました。今春の入試では、受験生の中学校と事前に「受験相談」という話し合いを行った生徒119名の全員が合格した一方、それ以外で受験した生徒には580点満点中80点近く高い点数を取ったにも関わらず、不合格なった受験生がいました。大阪府は入試制度が不透明であるとして、同校を再三にわたって改善を指導していたとの事です。

報道によると、「受験相談」は今春の入試の筆記試験1か月前に実施されています。数十の中学校の進路担当者が関大一高を訪れ、受験生の成績や内申点を提示。関大一高側は、それをもとに合否の見通しを伝えていました。この受験相談で合格見込みを伝えられた受験生は119名いましたが、筆記試験を受験し、全員が合格しているようです。

一方で、受験相談をしなかった受験生で合格したのは16名。不合格者は50名に上ります。毎日新聞の報道によると、不合格者の最高点は男子378点、女子363点であるのに対して、受験相談を経た合格者の最低点は男子312点、女子284点でした。つまり、受験相談の受験生の最低点よりも高い点数を取ったのに不合格となった生徒がおり、男子では66点、女子では79点の点数差がありました。受験相談の生徒よりも高得点を取ったにもかかわらず、不合格となった受験生は47名に上ります。

大阪府の私立高校の入試は、大半が第一志望で受験する「専願」と府立高校を第一志望としたい受験生向けの「併願」の入試方式を用意しており、同一の試験でも「専願」のほうが合格最低点が低く、合格しやすくなっています。その点数差は、近隣で結果をホームページで公表している私立高校では、500点満点換算で10点~30点程度です。

関大一高は、ホームページ上で「専願の合格最低点は、併願より約15点優遇」と他校と同程度の差で記載があるものの、実際には受験相談の有無で数倍の点数差があったことになります。

関西大学第一高校は、ホームページ上で、事前の相談では「例年の実績を踏まえた合否の可能性」を伝えるだけで、内定を伝えることはないと、今回の報道を否定しています。また、点数差が広がる要因として「中学での活動を考慮している」ということですが、公表している専願・併願との点数差では説明がつかない判定基準があるという点は、やはり不透明と言わざるを得ません。

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