保育園不足のニュースの続報をお届けします。


少し前にお届けした、保育園への入所が決まらなかった子どもが吹田で1,000人以上もいるニュース。認可保育施設の一次選考に落ちた子どもの数でしたが、このほど二次選考の結果も通知されていますが、未だ多くの子どもの行き先が決まっていません。

ただ、今年大きなニュースとなりましたが、急に増えたわけでなければ、吹田市が何の対策も打ってこなかったわけでもありません。また、この人数は「待機児童」の人数でもないのです。詳しくご紹介します。

1,000人の行き先はどうなる?

先日のニュースは、吹田市が募集していた認可保育施設への入所希望の一次選考の結果です。約2,500人の申し込みに対して、1,000人が決まりませんでした。このほど、二次選考も行われ、内定が出たのは330人ほど。未だ685人の行き先が決まっていません。

そのような中で、「Suita保活net」というグループのお母さんたちが、吹田市役所を訪問し、後藤市長と面会しました。市長は、学校教員、看護師といった人材や、使用していない公共施設の活用などで、2016年度中に保育所を増設、2017年度には大規模な施設をさらに設置する方針を説明しました。

去年はどうだった?

大変な人数だと思いますが、実は吹田市では、昨年4月に認可保育施設に入れなかった子どもは582人もいました。100人ほど増えているのですが、今年急に対策が必要になるような状況ではなく、以前から慢性的に保育所不足になっていたのです。

一方、吹田市が何の対策もしてこなかったわけではなく、こちらも以前お伝えしたように4月から認可保育施設が開設され、定員は259人増えています。今回の選考では、これらの施設への入所も含まれています。

つまり、259人分の定員増加でも追い付かない状況というのが本当のところで、実際、今年4月からの入所希望者は、昨年と比べて373人も増えています。

吹田の待機児童はそんなに多い?

大阪府が集計している吹田市の待機児童は、昨年4月時点で90人でした。582人が90人に減る理由は、認可外に入所したり、入所を諦めたりした人が待機児童の人数から省かれるためです。

何を指標にすべきかは難しいですが、希望通りに入所できたかどうかを考えると、行政が発表する待機児童の人数の数倍の規模が、実際の待機児童と考えるべきかもしれません。

周辺の市はどうしている?

池田市は22日、市職員の給与をカットして捻出した予算を待機児童対策に当てる方針を表明しました。もともと行政改革の一環で給与カットを進めていましたが、「日本死ね」の問題で大きくクローズアップされたこともあり、待機児童対策に費やすことを決定。市内2カ所に小規模保育施設を設けることになりました。

また、豊中市は、市が管理する公園の一部を使って保育所を設ける方針を発表しました。昨年改正された国家戦略特区法で、都市公園に指定された公園内に社会福祉施設を設けることが可能となったため、その制度を活用し、市内2つの公園に保育所を設けます。

吹田市の具体策も気になりますが、保育所開設には保育師不足も課題です。実際、池田市も豊中市も運営組織を公募するため、保育師がどう確保できるかははっきりしません。そういう意味では、市長が保育師以外の人材に触れたのは現実的な考え方かも知れません。

いずれにしても、待機児童は、費用と場所の確保だけでは解決できないので、個々の市だけは難しい問題です。

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